カーライフ

安全で質のいいガソリンスタンドを見分ける方法

2024年早々に、福島でガソリンスタンドの不祥事が2件続けて発生しました

いずれも火災はおろか、人命にもかかわる可能性があったほどの重大な事故でした

原因は、貯蔵タンクへ油種を間違えて送油してしまったという人的なミス

知り合いのスタンド所長に聞いたところ、同様の事故は福島に限った事ではなく

国内で年に5~6件発生しているそうです

ガソリンスタンドは地域によってはコンビニ以上に多くあるので

このような事故に遭う可能性は極めて低いと思われますが

だからといって絶対ないとは言い切れません

同様の事故がゼロにならないのはなぜなのか

今回の事故内容から、こういった被害に遭わないようにするには

どうしたらいいのかを考えてみました

 




 

誤供給事故の恐ろしい内容

まずは、今回の福島県内で起きた事故の詳細から、

その怖さやスタンドの責任の大きさを実感してみて下さい

 

ケース1 福島市で起きた混入事故とその被害規模

2024年 2月24日

スタンドへ各種燃料を荷下ろしに来た輸送会社(タンクローリー)が

レギュラーガソリンの貯蔵タンクへ軽油を

軽油の貯蔵タンクにレギュラーガソリンを誤って供給してしまう事故が起きました

タンクローリーから送油する際は、タンクローリーのドライバーと

荷受けするスタンド店員が二人で立ち合い確認する事が義務付けられていますが

なんらかの理由でドライバーが単独でおこなってしまったもよう

その後、400台もの車がこの混入燃料を給油

走行途中でエンジンに不具合を感じたドライバーが続出した事から

ミスが発覚しました

異種燃料が混じるとノッキングしてエンジンが正常に回らなくなり

最悪の場合、火災を引き起こす可能性があります

今回はそこまでに至る事はありませんでしたが

いったんエンジンをかけ、走行してしまうとエンジンをバラして洗浄する必要があり

費用は代車を含めると1台あたり50万を超えるとの事

保証費用は低く見積もってもざっと2億円

責任の割合はドライバーより立ち会わなかったスタンド側の方が大きいそうです

 

 

ケース2 いわき市で灯油にガソリンが混入した事故

2024年 3月9日

灯油の貯蔵タンクへ誤ってガソリンを混入させてしまう事故が発生

原因は未確認ですが、2人で確認さえしていれば防げた事故であったと考えると

ケース1同様、一人で送油を行った可能性が大

被害に遭ったのは88件で、合計2000リットルが販売され

その後、消防などの呼びかけにより79件、割合にして89%が無事回収されたとの事

灯油に揮発性の高いガソリンが混入されたとなると、ストーブなどの暖房器具自体が火災を起こす危険性があり

これもまた大惨事になっていた可能性があります

 

原因から見えてくるスタンドの現実

そもそもタンクローリーから貯蔵タンクへ送油する際の接続確認を

2名で行わなかった事が原因なワケで、ここにスタンドの現実が見えてきます

優良なスタンドは、安全を担保するのに必要な人員を常駐させているため

このような確認ミスが起きる可能性はきわめて低いと思われますが

全てのスタンドが人員確保できているワケではありません

募集はしているものの、人手が足りていないスタンドや、

厳しい価格競争を背景に、経費節約のためあえて人手を減らしているところもあります

今回の事故は人員不足から起きたと推測できますが、もっとも重要な事は

経営する側に安全意識が欠けていたという点

経費削減や無駄を省くというのはどこの業界でもやっている事ですが

安全を確保するというのは可燃物を扱うスタンドなら至上命題です

しかし、消費する側はそこが安全なスタンドかどうか

一見しただけでは分かりません

ではどうやって見分けたらいいのでしょうか?

 

優良スタンドの見分け方

スタンドはおおむね安いところが選ぶ基準になっていますが

そこだけを見てるとさきほどのような事故に遭遇する可能性が高くなります

いいスタンドかどうかを判断するにはズバリ!店員の人数を見ることです

ダメなスタンドは店員が一人、なんてところもありますが

こういうところは極力避けるようにしましょう

給油なんて、今やセルフだし、ドライバー1人でできてしまうので人員も減ってきてはいますが、

少ないところは安全や品質の管理意識が低く、先述したような事故をはじめ、

消費者であるドライバー側が損害を被る可能性が大きくなります

では、意識の低いスタンドだとどんな事が起きるのか

 

ケース① セルフ誤給油

メーカーやスタンド側が貯蔵タンクを間違えてしまう誤供給より多いのが

個々のドライバーが自車に異種燃料を入れてしまうという事故

昔は普通車といえばガソリンが当たり前でしたが、

今は軽油で走るディーゼル車だってあります

反対に、1~2トンクラスのトラックにはガソリン仕様の車両もあり

これらに誤って異種燃料を入れてしまう事故は意外と発生しています

中には、「軽」自動車だから燃料も「軽」油だと思って入れようとする高齢者もいるそうで、

こういった誤給油は、スタンド店員によって未然に発見される事もしばしば

たまに、スタンドの店舗前あたりに用もなさげに立っている店員を見かける事がありますが

あれは、誤給油する客がいないかチェックも兼ねているんだそうです

スタンド店員はある意味、その道のプロなワケですから

車両の種類やエンジン音を聞けば、およそその車の燃料(油種)は分かりますし

見慣れない車や県外ナンバーが入ってくると注意して見る店員もいるそうです

しかし、意識の低いスタンドはこういった気を利かせる人員がいないので

誤給油ミスがあっても未然に防ぐ事ができず、結果、事故につながっていきます

給油機は、油種を選び指定したボタンにタッチすれば

それ以外の油種ノズルを取って入れようとしても出ない仕組みになっていますが

そもそも油種を選択する時点で間違ってしまうと、当然、誤給油は起きてしまいます

優良なスタンドはこういった気遣いで差別化を図ろうとしているのかもしれませんね

 

ケース② 貯蔵タンクのメンテナンス

 

スタンドにはレギュラーガソリン/ハイオク/軽油/灯油と、

それぞれ独立した貯蔵タンクがあるワケですけど

中にあるパイプやタンクは金属でできているので経年で劣化します

また、冬などは結露などで水分が混じってしまう事もあり

これらをチェックするのも重要な仕事になっています

例えば、前回タンクローリーから供給された満タン量が5000リッターだったとします

これに対し、販売供給した量が4500リッターだったとすると

次回の満タン供給量は4500リッターでなければなりません

ところが、結露などで水分が加わると、当然同じ量が入らなくなるため

ここで加水された事に気づき水抜き剤などの対処をする事になります

こういったデータをしっかり管理し、メンテナンスをするためには

それなりの人員が必要になるワケですから、

逆に言えば、人員の少ないスタンドはこれらの管理が甘くなる分、

よぶんな水分やサビを含んでしまった燃料を供給してしまう事になりかねません

 




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スタンド選び まとめ

燃料は安さだけで選んじゃいけません

あまりに安いところはコストカットで精製基準すれすれでやってるところもあり

中には軽油に灯油や重油を混ぜて水増し販売し、摘発されたケースもあります

スタンド側の不手際から自車を守るためには

価格の安さのみならず、名のあるメーカーのスタンドを選び

しっかりと人員を立てているところを選ぶのがポイントといっていいと思います

また、田舎の一本道にポツンとあるようなスタンドも要注意です

販売量が少なければ、それだけタンクで保存される期間が長くなり

それは当然、酸化したり結露などで水分が混じるリスクが高くなります

貯蔵タンクを常にこまめに燃料で満たしておくのが酸化や結露を防ぐ手段になるので

小型タンクローリーがしょっちゅう出入りしているスタンドなどはおすすめです!

 



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