さて、PART2になります
前回は伝わる映像を撮るための最低限のお話をしましたが
今回は具体的な失敗例をお見せしながら説明していきます
伝わる映像と伝わらない映像
ではまずこちらをご覧ください
こちらの絵、「避難看板の紹介」をするために撮ったとします
どちらが直観的に伝わりますか?
答えはもう明白ですよね
1は撮る目的を考えず「AUTO」で撮ったもの
2は「避難場所の説明」という明確な目的をイメージした結果
「明るさ調整」=アイリスをマニュアルにして撮ったものです
1の絵のような映像を撮ってしまう方の中には
これがどうしていけないのか・・・??
そもそもそこにさえ気づかない方もいます
つまり、伝えたいポイントになっている看板が「暗く写っている」
という事に気付かないのです
何故、気づかないのか・・
それは・・・
自分が実際に肉眼で見ていて、この看板が脳の中で認識されているから、なんです
ところが、肉眼で見ていない第三者にはその看板の認識がありません
この差が「伝わらない」映像になってしまうのです
1を見せられた第三者は「ん??何を見せたいんだ?」と考えてしまいます
これは非常に重要な事です
自己満足、とはよくいいますがこれが一番いけません
伝わる映像と伝わらない映像・・その根本的な違いは何か
ズバリ「主観」と「客観」です
視点を「客観」にし、第三者に見せるという意識を持つ事が
非常に重要なポイントになるのです
では実際に伝わらない失敗映像を見ていきましょう
テーマはこちら↓↓↓の「ビデオカメラの紹介」とします
伝わらない映像 その1:ピンボケ
ちょっと極端な例ですが、これはもう一目瞭然ですね(笑)
けれども、ちょっとしたピンボケは誰でも意外にやってしまう事って結構あるんです
それは液晶画面を見て撮る事で起こります
ファインダーで覗くのと違い、液晶で見た場合、その画面は
今あなたが見ている視界の一部でしかありません
微妙なピンボケがあったとしても気づかないのです
人間の目は視界に入っているもの全てにピントが合ってしっかり見えていますよね
このせいでピントが合っているように錯覚してしまうのです
ピンボケは・・
フォーカスそのものが合っていないか手ブレが原因で起こります
これを防ぐ対処法をいくつかご紹介しましょう
視界の全てを映像にするのがポイントです液晶は視界の一部でしたが、ファインダーだと視界がフルに映像のみになるので非常にクリアにピントを確認する事ができます
力学の説明をする前に言っちゃいますカメラを体から離さず撮ればいいんです!上記で説明したようにファインダーで覗けば体から離さずに撮れますよね液晶画面を見ようとすると、どうしても目から離さなければならず腕を伸ばした状態で構えてしまいます腕は肩を支点にしているのでその肩=支点から離れれば離れるほど可動域が広くなるためブレやすくなってしまうんですスマホなどでどうしても離してしまう場合はしっかり肘を締めてカメラを手に乗っけるようなイメージで撮ると安定します
こちらはカメラの機械的な知識が必要ですが日中明るいところでは一番効果のある方法ですシャッタースピードを速くするという事は速くした分だけ一瞬で映像を切り取る事になるので手ブレが多少あったとしてもブレずに撮る事ができますこの動作原理を理解すればAUTOでの撮影時にも参考になります晴れた屋外ではキレのいい映像がうまく撮れ屋内だとブレたりぼやけたり、そんな経験ありませんか?これはカメラがその場の明るさに応じてシャッタースピードを早くしたり遅くしたりしているから、なんです
伝わらない映像 その2:アンダー/オーバー画像
一般的に・・
暗い映像をアンダー
明るすぎな映像をオーバーとか白飛びと言います
アンダーになるのは冒頭で見せた看板画像の通り
逆光になった状態
つまり、被写体より背景が明るい時に起こります
逆光によって被写体が暗くなってしまう現象は写真はもとより、
動画でもよく見られます
屋内で白い壁バックに撮ったりするとカメラが白壁に明るさを合わせてしまい
被写体全体が暗めに写ってしまうので注意が必要です
最近のカメラは逆光補正機能=HDRなどがあるので機能をONにして
使うと効果があります
オーバーはアンダーとは逆に構図の中の被写体が暗すぎたり黒っぽい事で
絞りを開け過ぎて結果被写体周囲が白っぽくなってしまう事をいいます
アンダー/オーバーの対処法は・・
まずAUTOに頼らず以下の2点で調整する、です
どちらも明るさを調整する機能になりますが
この機能を応用するとブレずに撮る事もできるようになるので
まずは読んでみて下さい ↓
★絞り(アイリス)をマニュアルにする
機械式の複数のシャッターで作られた穴を大きくしたり小さくしたり
する事で光の流入量を調整します
★GAIN(ISO)で感度を加減する
電気的に感度を上げ下げして明るさを調整します
あまり上げ過ぎると画面にザラつきが発生するので注意が必要です
この2つを利用すればアンダー/オーバーにならないよう調整できるのですが、
これを応用すると実はシャッタースピードも上げられるんです
まずひとつめの方法は絞りを開ける方法です
開けると光が沢山入ってくるので、その分
シャッターを開けている時間=シャッタースピードが上げられます
ふたつめはGAINで感度を上げる方法
映像が明るくなった分、シャッタースピードを上げられるという事になります
操作する際のポイントはやはりファインダーを覗く、です
液晶画面は明るいところが非常に苦手で屋外とかだと見えずらくなってしまいます
適正に調整ができなくなる一方で
ファインダーだと周りの光に邪魔されずに見る事ができます
スマホなど、ファインダーがない場合は絞りかGAINをいじって
プラス方向とマイナス方向で何パターンか撮っておくか、あるいは
暗めで撮っておいて後から補正アプリで直すというやり方もあります
ただし、補正アプリも慣れずにいじると色目が変になったり
輪郭に不自然さが出たりするのであまりオススメはしません
伝わらない映像 その3:全体がイメージできない抽象的画像
これはスマホ撮影でよくやってしまう失敗です
いわゆるジコチュー=典型的な自己満足映像になっているのが分かると思います
上下はもとより左右感もなく、いったいどんな形のカメラなのか?
実物を見ていない第三者にはまったく伝わりません
スマホ撮影は被写体をアップで見せたいがためについつい近づけて撮ってしまう傾向があり、
それがこういった伝わらない映像になる事もしばしば・・
レンズを被写体に近づけるとこのように形が極端に歪んだ映像になって
人間の目ではありえない不自然さが強調されてしまいます
とはいえ、まったくダメ~!ってワケでもありません
しっかりと実体が撮れた基本の1枚を見せた後でなら、
こういった映像もカッコよさの表現としてはありです
これをお読みになって、
もっときちんと理解したいという方は
下記にパナソニックのリンクを貼っておきますので
ご覧になって下さい
初心者の方にも非常に分かりやすく説明されています
まとめ
もうお分かりですよね?
1にも2にも「客観」を忘れず
見る側に立った視点を持つという事が大切です
なのでいい映像をたくさん見て見る目を養う事から始めて下さい
ジコチュー映像は伝わらないばかりか
相手に伝わらなかった事さえも気づかせてくれません
相手を思いやり、見ている人の気持ちをイメージする事が
伝わる映像を撮る大切なマインドになるのです
人と上手に付き合っていくのと同じですね💕