カメラマンコラム

1本のテレビ番組にかかる工程とは?

「ネット動画の光と影」でも少しだけ触れていますが

テレビ局が番組を放送するまでにはかなりの人手=人件費と時間もかかります

言うまでもなく、テレビ局のコンテンツには「公共放送」という足かせがあるので

何でも自由に発想して放送してよい、というワケにはいきません

公序良俗はもちろん、スポンサーの利益に反するような内容もアウトになります

スポンサー利益・このあたりがネット動画とは違う部分になりますが

ネット動画とは「質的」に違う部分がまだまだあります

今回は個人で動画を制作されているみなさんへ

テレビ局がどれだけの行程を経て放送までもっていっているのか

「質」というものにかける時間と手間について

を、お話します

今後の動画作りの参考にぜひ読んでみてください

 




 

1本のネタが放送されるまでの行程

まず、ドキュメンタリーや情報番組を例に流れをざっくり説明すると・・

①企画会議

②企画ネタに必要なリサーチとアポイント

③撮影(収録)

④構成会議⇒場合によっては②の前後になる事も

⑤編集~音効~整音~ナレーション

⑥チェック=直し

と、おおざっぱに説明しただけでもこれだけの手間がかかります

当然、これだけの行程ですから

かかわる人間も多くなるのでお金も必要になる、って事になります

YouTubeとかならこんな沢山の行程はかかりませんよね?

行程が少ない分、簡単に作れますが、

逆にいうと、それはそれだけ「質」も失っているというのが分かると思います

ではこれらの行程がどのようなものなのか

順を追って簡単に説明していきます

 




 

行程の中身~放送されるまで

①企画会議

どのような視聴者へどのような意図・目的をもって作っていくか

具体的にどんなネタにしていくか、

プロデューサーや構成作家、ディレクターらがメインとなって話し合われます

 

②企画ネタに必要なリサーチとアポイント

ネタを成立させるために必要な知識や情報収集を行い撮影相手を探す

撮影する相手との交渉、撮影スケジュール作成

 

③撮影(収録)

モノによりけりですが、2~3時間で済むものもあれば

数週間に及ぶものもあります

 

④構成会議

撮影された内容をおおまかにプレビューし、どのような構成にして

企画した意図にもっていくかを構成作家交えて話し合いをします

撮影内容を知るため、事前にADさんが撮影された相手の文言を

文字に書き起こす、なんていう地味に時間がかかる作業もあります

 

⑤編集~音効~整音~ナレーション

編集は長編ものになるとざっくりな編集=粗編だけで

数日間かかる事もあります

放送する時間尺に詰められたものが出来上がると

そこに音楽や効果音などの音入れ作業や

全ての音の音量を整える作業が専門スタッフにより行われます

その後、ナレーション収録などもありますが、情報番組や報道などでは

生放送中に「生読み」される事もしばしば・・

この行程も撮影同様、長編になればなるほど時間もかかります

 

⑥チェック~直し

これは⑤の中でも行われたりします

内容にNGワードがないか、表現方法に不備はないか、などをチェックし

問題があれば指摘箇所を再度編集し直し、となり

これらが全て完了して「放送」となるわけです

 

工程はまだ他にもあり!

いかがでしたか?

これらはざっくりと話しただけなので、

もっというと番組ジャンルによって様々な行程が存在します

例えば、ネタを上げるにあたり、個々スタッフが「企画書」なるものを作成する場合もあり

番組によってはこれが

①企画会議

②企画ネタに必要なリサーチとアポイント

に該当する事もあります

もしその企画が通れば30分ものや1時間ものになると1千万前後にもなるので

とても重要な作業になるのです

ちなみに僕も企画書は数十枚書いた事があり、そのほとんどは振り落とされてしまいます

が、通ると大きな収益を生むのでとにかく量産するのみ(笑)

結果、1600万級を1件、1300万級を3本通した経歴があります

通常、企画書はディレクターが行うのですが、

カメラマンだってこれくらいはやればできるんです!

もちろん、ネタは、自分が撮りたい!行きたい国、だったりするので

テンション上がります!

 

と・・脱線してしまいましたが、番組を1本作り上げるために

いろんなスタッフが関わっている事、それぞれに人件費がかかっている事は

理解できたかと思います

 

動画業界で生き残っていくためには?

文頭でも書きましたが、これらは全て「質」を追求した結果、

必要な手順になるのです

こんな行程がなくてもYouTubeなら爆発ヒットするものもあるでしょう

手っ取り早く自分がいいと思ったものを撮影してアップする

これがネット動画のよさでもあり面白さでもあります

けれども、音が不明瞭で音量も一定じゃなかったり、ボヤけた不鮮明な画像だったり

質でいったらテレビとは大違い、映像という点ではけっこういい加減な作品も目立ちます

テレビが凋落してきた昨今・・この業界に見切りをつけたプロのスタッフ

これからはどんどんネットへ流れていきます

ネット動画業界にもテレビ制作でノウハウを身に着けたプロの制作集団が

どんどん現れていくわけです

なので、この行程は知っておいて損はないハズです

特に、③の撮影と⑤編集~音効~整音~ナレーション

今から研究してスキルを磨いていくべきです

 




 



  • この記事を書いた人

晴れのち晴れ

在京キー局カメラマン/技術アドバイザー  ドキュメンタリー、バラエティー、各分野で活躍  手がけた著名番組多数  30年に及ぶ豊富な経験から映像ライフを楽しむ知識やアイディア、  海外ロケのスナップ紀行などを 紹介しています

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