こんにちは!
テレビカメラマンの晴れが実際にロケした体験エピソード
体験記=海外ロケ 今回はグリーンランドのお話です
このグリーンランド編はデンマーク編からの続きになっています
まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ ↓
グリーンランドといえば北極圏です
北極圏って聞くと誰もが思い浮かべるのはオーロラですよね
しかし、今回の晴れたちの撮影目的は「北限にある温泉♨」でした
そこを目指した時の記録になります
もちろん、定番のオーロラも紹介していますので
旅気分でゆったり読んでいただけたら嬉しいです
もくじ
北極圏グリーンランド アルトサップまでの経路
グリーンランドにある温泉は南端のアルトサップというところにあります
この南端にたどり着くには航空機で何度も乗り継ぎしなければなりません
日本→コペンハーゲン→ナルサーク→カコルトク→アルトサップ
ジェット機からプロペラ機、そしてヘリ
目的の温泉のある地はアルトサップからさらに船に乗る事になります
今回の費用はホテル代と航空機だけで一人150万円もかかりました
ここまでお金をかけるからには見るものをしっかり見て
きっちり撮影してこなければなりません
たどりつくまでがひと苦労な場所でしたし
テレビの仕事じゃなきゃこんなところへ行くなんてそうそうない事です
貴重な体験をしたからこそ、みなさんにもぜひ知ってほしい
それがアルトサップなんです!
グリーンランド最初の地 ナルサークに到着
デンマークコペンハーゲンから世界最大の島グリーンランドへ
12月半ば、最初に降り立ったのがここ、ナルサークでした
島全体が氷床で覆われたこの地の気温は南に位置するここでさえすでにマイナス18度!
次に乗る便が来るまで時間があったので外に出てみたんですが
風がなかったせいか意外に寒さは感じず、撮影中の晴れも素手でカメラを持ってます(笑)
あたりは限りなく静寂そのもので、周囲の雑感撮影をしていても
マイクで拾えるような音はまったくなく、なんとも不思議な世界
シーンと静まり返っていて、建物といえば向かい側にポリスステーションがあったのみ
と、その横になにやら記念碑のようなものがあったので覗いてみたら・・
なんと!あの植村直巳さんがいるではありませんか!
空港の人に聞いたら、この近くで南極大陸を横断するための犬ぞり訓練をした事があり
植村さんの没後、数々の功績をたたえてこの碑が建てられたんだそうです
グリーンランドでは英雄としてとても有名で、今でも語り継がれている人物だと聞き
改めて植村さんのすごさを思い知らされました
プロペラ機でカコルトクへ
空港で待つこと1時間半、次に目指すカコルトクへ連れていってくれる便が到着
今度はプロペラ機に乗り換えて凍土の広がる世界へ離陸です
カコルトクへ到着してみたらさきほどまでとは一変
ナルサークまで曇っていた空が嘘のようにキンキンに晴れ渡っていて
北極圏の太陽の素晴らしさを見る事ができました
北極圏ではこの季節に太陽が真上に登る事はなく、地平線を這うように移動していきます
カコルトクの街並みはその貴重な太陽のめぐみを最大限に受けるため
フィヨルドの地形をうまく利用していました
建物の外壁もとてもカラフル!
凍てついたモノトーンの大地で暮らす人々にとって、いかに色味が大切かが伝わってきます
街にはスーパーやカフェレストランもあったので、どんな感じなのか覗いてみました
スーパーには生鮮品はもちろん、野菜やフルーツ、お酒などもあって
一通りのものは手に入るようです
店内はシンプルな作りなんですが、見ての通り整然としていて清潔感を感じます
これなら気持ちよく買い物をする事ができますね~
さらに街中を歩いていたらイヌイットの小学生たちと出会ったので記念にパシャリ☆
この表情、まるで自分たち日本人とそっくりですよね☆
イヌイット民族は日本人と同じモンゴロイドが祖先と言われ、このあたりにも多く住んでいます
生活様式はヨーロッパの影響を受けていますが
同じ系の顔だちだったのでお互いに思わず笑みがこぼれました
笑顔はどこへ行っても世界共通、みんなを幸せにしてくれます💕
と、散策していたら遠くからヘリの音が近づいてきてまたたく間に着陸
フィヨルドに住む人々にとって、ヘリはバス代わりのようなもの
いよいよこれがラストフライトになります
大自然の歓迎式!アルトサップの夕陽
ヘリは低空を飛んでいくのでフィヨルドの入江の美しさをめっちゃ近くに見る事ができます
機中からさっそくその感動の風景が目に飛び込んできました!
これがグリーンランドの大地、初めて間近に見たフィヨルドの造形に
晴れも大興奮してしまいました!
やがてヘリは無風のアルトサップにすんなり到着
降り立ったところで晴れたちを待っていたのは感動の夕陽でした
ヘリポートでこんな光の歓迎式を受けるなんて、もう言葉もなく見つめてしまいました
どこまでも透明でどこまでも静寂・・
刻一刻とその色を変えていく太陽の光・・
何度も乗り換えてようやくたどり着いたグリーンランド南端の街
何もかもが美しくて新鮮そのもの
地球って素晴らしい!
ぬくもりを感じさせる魅力たっぷりなホテル
アルトサップに降り立ち、晴れたちがお世話になったのがこちらのホテル
室内は温かみのある色合いで、さりげない壁飾りにもオーナーの優しさを感じます
部屋の前にはデッキもあって目の前にある海を思いっきり見渡す事もできます
南端の街で、こんなあったかいおもてなしを味わえるなんて思ってもいなくて
あまりの居心地のよさに、ここまでの疲れがどっかに飛んでいっちゃいました
こちらは翌朝、ホテルのダイニングでのモーニング風景
家庭的な調度品の中で、これまた居心地のいい雰囲気
施しの温かさにどこまでも癒されます
パンはすべてホカホカの焼きたて
デンマークでも定番だった加工肉も種類が豊富でチーズも旨い!
コーヒーも極地で味わうとこんなにも香り高いのかと感心するくらい美味しかったです
コーヒーカップもとってもおしゃれですよね
いざ、温泉へ!
さて、美味しい朝食も紹介したのでそろそろ本題に入りましょう(笑)
今回の撮影目的、天然温泉を目指します!
温泉は道路も何もない入江の対岸にあるらしく、船でしか行く事ができません
地元の漁師さんにお願いして連れていってもらいました
ちなみに、この季節に温泉に入る人なんていないらしく、
地元の人でも夏場にしか行かないんだそう・・
冬場の様子も見た事がないのでどうなってるのかも分からないとの事・・
ちょっと不安がよぎります
途中、大小さまざまな氷山を見かけました
比較対象物がないのでスケール感がイマイチですが
この氷山は大きな民家2軒分くらいあり、かすかにエメラルドグリーンがかっていました
いったいこの下はどうなってるんでしょうね~
夕景っぽく見えますが、これでもまだ正午を過ぎた時間
入江の対岸に到着し、ここから15分ほど歩きます
当然雪の上を歩くんですが、日本と違ってめちゃくちゃ乾燥してるので
雪質は砂のようにサラサラしていて歩きやすかったです
じゃじゃ~ん!
お待たせしました~!
これがグリーンランドにある天然温泉です
意外に小さくてちょっと迫力には欠けてますが、氷床で凍てついた大地から
こんなあったかいものが湧き出しているってだけでもじゅうぶんに価値があります
気になるのは湯温なんですが、計ってみたらたったの24度しかない・・
それでも、ここまで来たからには入ってみるのがチャレンジャー晴れの役目
撮影を終えたのち、ビビるディレクターを横目にして入ってみました(^^)v
・・・もう、おバカさんでしかないですよね~
そこそこぬるく感じたお湯でしたが、気温がマイナス15度くらいだった事もあり
入ってしまえば体感的には極楽極楽♨
おそらく、12月にこの温泉に入ったのは世界でも晴れが初めてでしょう
帰りの船で漁師さんに入った事を話したら、ドン引きで呆れかえっていました(*ノωノ)
最後にコーディネーターさんとディレクターと三人一緒に記念撮影
さて、この絵が意味するものはなんでしょう?
分かった方はぜひTwitterでお知らせください(笑)
贅沢極まりないオンザロック
このグラスに浮かんでいる氷、正体はなんだと思います?
そう、さきほど紹介した氷山の氷なんです
このグリーンランドで見られる氷山は大陸氷河の氷床が海へ押し出されたもの
大陸氷河の氷は解けにくい事でも知られていて
めちゃくちゃ固く、砕くのにもかなりの力がいります
グラスに浮かんだ氷の内部には太古の空気もたくさん閉じ込められていて
それがグラスの中で溶けると「シュワ~」っとかすかな音をたてて出てきます
これぞまさしくプライスレス!グリーンランドでしか味わえません
中身は日本から持ち込んだ焼酎(笑)ですが、間違いなく世界一旨い焼酎になりました
グリーンランドのオーロラ
目的の温泉撮影も無事に終わり、あとは帰国するだけとなった晴れたち一行ですが
帰りのヘリが来るのは3日後
定期ヘリは1週間待たないと来ないそうなので、復路はチャーターにしたんですが
それでもすぐには手配つきません
待ってる間はなにもする事がないので街を散策したりしつつ
ひたすら長い夜を楽しむ事になります
この季節の日照時間は6時間ほどしかありません
太陽は9時を過ぎた頃に上がってきて15時には沈んでいきます
ここに住む人たちにとって、太陽はかけがえのない貴重なものなんですよね
日照時間が短いせいで、何かしてると夕景色になるのもあっという間・・
斜光で作られる極地の独特のコントラストはこの地を信じられない色合いで染めていきます☆
太陽がゆっくり横へ移動しながら沈んでいくと
それまでとはまったく違う異様な光が夜空に出現します
ここは島の南端で、極北からまだ3000キロも離れているため
オーロラが現れやすい地点(緯度)より南の位置から観測する事になります
真上に見たいのであれば、フィンランド北部やカナダのイエローナイフが有名ですが
ここはオーロラを全体的にリング状に見渡せるのでそれなりに楽しめました
オーロラ観測にはまぶしい月明りは不要で、真っ暗になる新月が必須の条件になるんですが
このタイミングもバッチリでした
4番目の写真はまだらに見えていますが、これは低空に雲がかかっているためで
オーロラはそのはるか上空で発光します
オーロラには3色あり、青や赤のものは南端のこの地では見られませんでしたが、
夜中になるとこんな夜空が毎晩のように見られました
ちなみにオーロラはなぜできるのか、ざっくり説明すると・・
太陽から飛んでくる荷電粒子が地球の電磁波の影響を受けて
磁北と磁南に集まり落ちてくる事から始まります
そこへ、地球にある酸素原子や酸素分子、窒素原子と結びついて放電し
青や赤、緑に発光するんです
仕組みは分かってもやっぱり不思議・・
形もその時々でまったく違うので、どんだけ見ても飽きる事もありませんでした
地磁気のオマケ話
余談ですが・・
磁極は常に一定ではなく、南北の極圏を中心にわずかずつですが移動をしています
これは地球のコアのマントルの動きに左右されているんですが
近年、磁極が大きく移動しているという説もあり、
南北が逆転する時期が近づいていると唱える学者もいるようです
地磁気の逆転現象があった事を示すものとしては
千葉県の市原にある逆転地層チバニアンが有名ですね
北極圏、グリーンランドのお話・・
いかがでしたか?
ここまで50枚以上の晴れオリジナル画像で案内してきましたが
それなりに北極圏の魅力をたっぷり感じていただけたと思います
テレビ局ならではの旅でしたが、これも貴重な体験になりました
みなさんに少しでもその感動をお分けしたくて長い文面になってしまいましたが・・
最後までご覧いただいて感謝です☆
ありがとうございました!
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